2010年10月20日

■ 第18回ハセツネCUP その1 〜空腹のゴール〜

 10/10〜11に行われた「第18回ハセツネCUP(日本山岳耐久レース/制限時間24時間以内)」、71.5キロ、なんとか完走しましたよ〜ん。タイムは、18:46:21で、総合993位(1622人完走/2474人エントリー)、女子総合では84位(158人完走/223人エントリー)、部門別女子50代8位(20人完走/33人エントリー)でした。嬉しいです! 本当によかったです! 膝がまったく機能しなくなった7年前よりは成績もうんとこさいいのですが…、実は「信越五岳トレラン完走者は17時間前後に値する」なんて噂を聞いていたので、内心「がびーーーん(←贅沢ですね。ビリだったのに)」。

 しかしトレランでも何でも、すべての物事は奥が深いですね。今回のテーマは何だったのかというと、ズバリ「レース中の栄養補給=食べる」だったようです。パリダカだろうが何だろうが、食に関しては貪欲な私は、生まれてこのかた食べ過ぎた事はあっても、食べられなかったことは、皆無。あ、うそ。一度だけ冬山で凍傷になりかけた八ヶ岳で、テントで暖かい夕食(ご飯にぶっかけ味噌汁)を作っても食欲なくて、胃に流し込んだ経験があったっけ。でも、その一度だけ。だから多くの人が「長いトレランで食べられなくなる」と言っても、信じがたかったし、私だけは大丈夫と思っていました。でも、その「食べられない苦しみ」を、今回初めて経験することになりました。

 スタート前は絶好調。でも、前日からの雨があがり、晴天。気温は27度になったとか。そして夕方からの雨で、湿度も多かったのでしょう。自分では変調に気がつかなかったのですが、コースの3分の1もいかないころから、胃がまったく食べ物を受け付けなくなりました。実は多くの人がそうだったと後で知ったのですが。ゴール後にベスパの佐藤さんから「信越からまだ胃が戻ってない。大きなレースをやった時は、一ヶ月は間をあけないと駄目。日本人はやり過ぎ!」と、厳しく言われました。走ると一番負担がかかるのは、肝臓などの内蔵なんですね。思わず納得!

 お日様が昇って元気になったので、最後の10キロはまたもや激走しちゃいましたが、中盤は地獄でしたね。何も食べてないので力がまったく出ず、登り坂の手前で3分×15回ほど小休止。寝ないけれども、「はあ。はあ。はあ」と息は荒く、休まらない休み。気持ち悪くなって吐こうにも、胃液しか出て来ません。さすがに「やばい」と思い、小指の先ほどのバーを無理矢理突っ込んで、じわじわと溶かして立ち上がる。リタイアは頭に浮びませんでしたが、「ああ、これが噂の」と納得。いつもは美味しくてニコニコのジェル系、エナジーバー、そしてなんと大好きなおにぎりも胃が受け付けないなんてなあ〜、ホント泣きました。当たり前ですが、食べられないと本当に進みませんねえ。

 レース後、信越に出た選手と温泉の湯船で「巨峰とか梨がいいね」と、話していました。「ああ、それなら入る!」。実は、走りながら私は頭の中はバナナで一杯でした(やっぱり!)。「バナナバナナ」とぐるぐる映像が浮かんでましたが、ない。絶対に果物ならば食べられただろうな〜。このトレランは、71.5キロを走るための食料や装備(ストックや雨具)や水(給水が一カ所なので2000ml以上)を持って走らねばならず、今回私は、あえて食料をシンプルにしたのですが、それが失敗だったかも。聞いた話では、コッフェルでラーメン作って食べている選手がいたとか! 止まって唸ってる時間を考えたら、重くても好きなもの食べて元気よく走った方が速いかもね。うーん。今回の経験は、大きかった。

 今度は、エナジーバーやジェルの他に、バナナ、巨峰、菓子パン、炊き込みご飯のおにぎり、ちっちゃなゼリー(カロリーのあるこんにゃくゼリーみたいなやつ)などをメインにいってみようかな。たぶん、うどんや蕎麦なら食べられるから、暖かくて瞬間に出来る魔法のそういうの、何かないかなー。本当に不思議なんですよね、人間の心と身体って。今回ゴールしてすぐに出た豚汁は、なんなく食べられる訳で、どうなっているのでしょうね〜。

 他の今回の反省やビックリいろいろ。2250ml持っていったお水はまったく足りなかった! 湿度にもよるけれど、500ほどよけいに欲しかったなあ。呼吸が過呼吸になったのか、咽が痛かったことも驚いた。もともと私は「はあ、はあ」とうるさいのですが、あまりに派手に叫び過ぎて、カレーが食べられないほど痛かった。信越は鼻を噛み過ぎて鼻の下がヒガヒガになったけれど、ハセツネは咽に来て、びっくり。あと、スタートしてから合計一時間は止まっていたであろう渋滞は、食べられないに匹敵する位哀しかったなあ。時間をずらしてスタートさせて欲しいけれど、速くなるしかないのかな〜。そういえば、なぜ私が一回エンデューロをやった後、すぐに海外ラリーに行ったかというと、「渋滞が嫌だった」からということを思い出しました。どんなラリーでも、一分間置いて一台ずつ出させてくれるからね〜。遅い私はすぐに四輪のトップにガンガン抜かれるのですが、それでも天国ですよん!


← ゴール後、8月のUTMBで会った”ざんくろう”さんと。50代頑張るの図。ちなみにトップは、Ludovic Pommerさんの8:03:02。女子トップは、野村 泰子さんの9:45:24でした♪

↓ レース後、これらの抜け殻をC3フィットのウエアケースに入れて持ち帰った私は、ベトベトですが、あまりにシュールで愉快なので、並べてみました。コレが、食料のすべてです。

「目指せツール・ド・モンブラン!?」

レース前。朝ご飯は、宿で食べたスペイン風朝食(美味しくて大量にお腹に)。そして、13:00のレース前までに、「VESPAプロ」、「ムサシNIスティック」、「パワーバー」、あと、和菓子とバナナ2本をペロリ。
レース中。食べたもの全て。パワージェルなど6個(約700カロリー)。「ムサシNIスティック」4本。VESPA HYPER 5つ。ゼリー2個。おにぎり半分。パワーバー半分。
レース後、残っていたもの=これを食べたら中盤走れたと予測されるもの。パワーバー4本(1000カロリー)。おにぎり一個。ジェルなど。そして、ゴール後に芥田さんに戴いた、涙の豆乳(タンパク質)一本♪ オイチカッタこと。
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