8月22日(現地時間8月22日18:50)
ようやく通信復帰。フォレスターの状態は?
たった今、ちょうど夕日が沈む時間に戻ってきました。ノーマルのショックを、明日お客さんに納車っていうのをブン取って(笑)、スプリングをくっつけて、売ってもらえる部品だけは売ってもらって、後ろ2本のショックをノーマルに近いもので走りました。で、初めて全部走って(笑)。
景色がとにかく綺麗でね。私は「ハーブ園だわ」なんて言ってたんだけど。今年は雨が多かったんで花があったんじゃないかって言われたんだけど、紫やらピンクやら黄色やら白やら本当に綺麗で。咲いてない年もあるらしいのね。もう、トイレに行こうと思ったら、お花畑に行くって感じで。それでね、花が強いの。しっかりしてて、すごい元気なの。ああいうのを見ちゃうと、ガーデニングをやる意味を考えちゃうよなぁ、なんて(笑)。
私たちはまだ1頭もカンガルーを見てなくて、牛を4頭だけ見ました。牧場の中を通るんだけど、その広さにはビックリです。
それから、第3Legはエアーズロックの近くのセクションで、砂がモーリタニアのものよりも赤かったのです。またペットボトルに拾ってきました。
さて、初日に駄目になっちゃったショックアブソーバーは、結局日曜日で部品が手に入らなくて、その場で溶接とか万力を使って直してもらったりしたんだけど、やはりショックアブソーバーはそういうことでは走れないと思っていたら、昨日の朝、SSに入って500km行ったところで、フラットなダートに入った途端にダンダンダンダンッって音がして、このまま行ったら死ぬわと思ったのでUターンして、アリススプリングスのスバルのディーラーに行きました。そこで朝から夕方5時半にお店が閉まるまでずーっといて、修理をしてました。だから昨日と一昨日でペナルティを使っちゃったということで。そのまま付け替えて走ろうと思ったら、そんな簡単に付くもんじゃなかったので、結局夕方までかかって、走りたくても走れないと。それで400kmハイウェイを走ってビバークに着いて、今日のスタートになったんです。だから今日が初めてSSを走った日なのね。
元々付けていたショックは、仲田コーティングの社長さんの息子さんが昨日の夕方に日本を発って、今日のお昼にアリススプリングスの空港まで、もう1台あったフォレスターのショック4本を担いで来てくれたの。その人はすぐ帰っちゃったんだけど。そういうわけでショックアブソーバーは空輸ということになりました。今まさに今野さんが付けてくれています。ただ、ノーマルが良いのかそっちの方が良いのか、強度の問題とかね、ちょっと分からないの。実際折れちゃった原因も、水が入っていたのか、元々どこかクラックがあったのか、それとも合いの問題なのか、ちょっと分からないんだよね。だから昨日作ったノーマルのショックを2本、スペアで持って走ります。でも昨日1日でショック交換のノウハウを徹底的に今野さんに教えていただいたので、それは良かったかなと。今野さんもすごい頑張ってくれてるよ。
今の心配事は、曜子ちゃんの車がまだ戻ってきてないんじゃないかなということで、初日にクロスメンバーという、エンジンが落ちちゃうというトラブルをやって、彼女たちも1日目と2日目にレイトタイムを食らっているので、あと1回、今日遅れちゃうとリタイアになってしまいます。「頑張って走ろうね」って言っていたのに、今日も途中で止まってパーツ交換なんかしていたから大丈夫かなと、とっても心配しています。他の日本人の人たちも、肩や手や足、いろいろ怪我があるみたいで、何人かはリタイアしちゃって、残っているのは3分の2くらい。4人くらいリタイアしちゃったって。残った人も怪我が多くてね、可哀想なの。今日は600km近く走ったのかな。でも私たちは車でしょ。私はナビゲーターでしょ。疲れなくてね(笑)。今日は何も無かったし、ショックをいたわって走ってるのでゆっくりだったから。
でも、道は難しいんだよ。今日は縦に亀裂の入った、砂の多いピストで、油断すると結構、転倒してる人が多いような、4輪も轍がガボッて入っちゃうようなところだったのね。だから今日は4輪よりも2輪にとっての方が辛かったかもね。昨日転倒していた女の子2人のライダーも、また復活して元気良く、最後のセクションだけは走らずに帰ってきて、「また明日頑張るわ」って言ってるし。うぅ、何かバイクって可哀想だけど頑張って、なんて思う私でした(笑)。
私たちも何もしてないんだけど、順位は19位かな。でも39時間、最高のペナルティは50何時間っていう人が1人いるけど、その次に私たちが昨日と一昨日合わせて39時間。いっぱいペナルティをいただいています。ふふふ。
レギュレーションとしては、これから完走するためには1日もリタイアできないし、もうどのセクションも抜くことができないのね。その日のレイトタイムっていうのがあって、今日だったら4時間だったんだけど、それよりも遅れて帰って来ちゃうと、もうその場でリタイアになっちゃう。ちなみに今日は、私が計算したところによると、1時間ちょっとくらいのレイトタイムで入ってきたのかな。明日は明日のレイトタイムがあるので、それを目指して頑張るって感じですね。今日の順位は、下から数えて1、2番目(笑)。もうちょっとスピードを上げなきゃな、と思っています。でも何しろいたわりつつ走ってきたので。
エリザベットはもう死んでまーす(笑)。本っ当に疲れちゃったみたい。私も「え?そんなに疲れた?」ってビックリしてます(笑)。やっぱり平面のサーキットもそれなりに大変だと思うんだけど、彼女も初めてでどこを通って良いのかまだ掴めなくて、何か大きな危ないところが出てくる度に「どっち?どっち?」って。私も「それくらい考えて走れよっ!」ってガンガン言ってます。で、彼女はもう誰かと話す度にグターッとして、「もう駄目〜」とか言ってるから、「そんなこと言っちゃ駄目!『だから女の子は…』って言われちゃうでしょ?パリ・ダカールで女の子で『疲れた』なんて言ってる子は誰もいないでしょ?」って私は怒ったのだ。そしたら「そうね」って言ってたけど、でも本当に疲れてるみたい。首とか、あと腕がね。やっぱりサーキットとGの方向が違うから。本当に走ってみないと分からないよね。
でも面白くて、結構上手い人の横しか、本当にベテランの横にしか乗ったことがないんで、「こんなのでパリダカ行けないよ?」って思っちゃったのよ(笑)、本当に。それはちょっとショックだったけどね。パリ・ダカールに行くって言ったら、多分エリザベットはこれからあるラリーに全部自分で出て、経験を積まないといけない。彼女は砂が全く走れない、走れるんだけど経験が必要なんだよね。ここオーストラリアでは生きていけるけど、パリ・ダカールでは初日リタイアだよっていう感じなのね。これはもう彼女が出たいなら練習するしかない。私も運転したいけど、今回はナビだし、エリザベットもこれくらいは走っておかないとって思うから。
これから毎日、私とエリザベットの気持ちの移り変わりが面白いわよ、きっと。今日私、途中で一回寝ちゃったし(笑)。9kmまっすぐなんてところで、1秒くらい熟睡しちゃって、エリザベットに起こされちゃった(笑)。
コースとしては、アリススプリングス周りはこれで終わりです。これからはダーウィンに向かって北上して行きます。明日はまだロックで今日と似たような感じで、それからストレートで飛ばすところが出てくるんでしょう。だから、本当にこれからなの。
明日からはもうちょっとスピードを上げないと絶対駄目だと思うので、ファイティングスピリットだけは失わないで行こうと。今回の合い言葉はとにかく「ネバーギブアップ」です。頑張りまーす。それじゃ、また明日!
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