vol.21. 2001年8月23日 * カモ日記その8

レイコの田んぼのイネ
レイコの田んぼのイネ
 西側の空に、ほっそりうっすらと静かな月が出ています。今日は8月21日。昨日からやってきた台風が、今し方去って行きました。嵐は思ったよりひどくなかったのですが、田圃のある上野地区に行ってみると、5分の1ほどの田圃の稲が倒壊していました。傘をさしたおばさまが、ゆっくりと雨の中一株ずつ起こしていて、なんだか悲しくなってしまう。私たちのアイガモ田圃は、6月3日植えだったのでまだ穂が垂れてなかったのですが、お陰でゆらっともなっていませんでした。ほっとしたものの、他の稲たちが可哀想で……。自然はけっして裏切らないが私の持論だし、台風の時期がずれたらこちらが倒れていたかもしれないのだけれど、う〜ん、大変ですよね。刈り取りまでには復活するのかしら。でも一体何が運命を分けるのでしょう。田植えの時期はもちろんですが、稲の種類の違いもあるでしょう。山風の吹き方もあるでしょう。土の違いもあるでしょう。稲の意志もあるでしょう。いっぱいの要因、考えながら歩いていました。

ご近所の田んぼ
ご近所の田んぼ
 アイガモちゃんたちは、嵐はおとなしくしているのかなあと思ったら、全然同じでした。前みたいに1時間もべったり横でコミュニケーションしていないので(池なので)、だんだん普通のカモに近づきつつあったのですが、今日はお腹減っていたせいか、すんごく甘えっこで可愛かったなあ。ペット化しているのは、そう、私です。特に異常になついている子には、実は名前がついています。『はんちゃん』は、社員のはんちゃんの所ばかり寄って来るカラーリングがリスのような小さい子。この子は最初、自分で落ちてる餌をついばめず、人の背中に乗ったのを、しかも目の前に来たカモの背中の餌しか食べれなかったで、とても心配した子だったのです。きままな単独行動が多いけれど何処吹く風。小さいけれど丈夫でなつっこく、みんなに愛されています。『アキちゃん』は、社員のアキちゃんのお気に入りのボスで、黒くて大きくてカッコいいの。水掻きまで黒いので、なんか迫力あります。ニヒルな俳優さんみたい(松田優作って感じ)だけど、優しいよ。どうやらただのマガモではなく、違う水鳥の血が入っているらしいのですが、名前……忘れました。鳥博士でもあるお隣の古屋さんに教えてもらったのだけれど、長かったので、う〜ん。また聞いておきます。『磯村くん』は、いつも手伝いに来てくれる東京のバイク仲間の磯村くんになついている子です。彼の回りを異常にウロウロしていたやはり小さな茶色い子。べったり甘えて側にいるの。で、その後やはりお手伝いに来てくれた静岡のつんちゃんがセリあげている時に、なんと手乗りカモにしてしまいました。5秒くらいでしょうか、地面から1メートルほどのところでつんちゃんの片手に乗ったまま、自分でバランスをとっているのです。私は、背中乗りと膝乗りつま先乗りまではいろいろ手なずけたけれど、手乗りは…凄いねっ。そして『レイコちゃん』。これは2羽います。大きめのアヒルの血が強そうな子ですが、田圃からカモを移動させると2日前から脱走を始めた子たちです。まったく遠くへ行かないのですが、どんなことしても出たいのね。しかし何処から出たのか、未だに不明です。本当にいろいろな性格がいます。美しいブルーの羽の色もそれぞれ、クチバシのグリーンもそれぞれ。でも温和な性格で、何時間見ていても飽きないです。毛づくろいして太陽の下でうつらうつらしているのを眺めていると、長江のほとりでぼんやりしているような気持ちになります。癒されるんだよね。ほとんど集団行動ですが、どんどんいろんなことするので、本当に面白いの。家に大きな池があったら、自然の状態で飼いたいのだけれどね。カモセラピーやりたいなあ。

田んぼ全景
田んぼ全景

と言う訳で、台風は大丈夫でした。みなさんはいかがでしたか?それではまた。
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