いろいろな方にメッセージをいただきましたが、田植えミーティングでは本当にお世話になりました。あれから毎日三人で交代で水を見に行ってますが、多かったり少なかったり、ドキドキしながら見守っています。何しろみんなの田圃なので、キチンとやらねばね。
で、今の私の最大の関心事は、メッセージに既にありましたが、我が家にやってきたアイガモの雛ちゃんたちのことです。6月5日に生まれた40羽の雛が、大阪を旅立ち、西濃運輸で富士市まで運ばれてきたのが、10日の朝。すっ飛んでいくと、広い構内にピヨピヨという鳴き声の箱が2つ。とにかく可愛くて可愛くて愛おしくて、車に乗っている間もずっと話しかけてました。雛たちは1畳ほどの育すう器で1週間ほど飼われて育てるのですが、移す時に1羽1羽、砂糖水を飲ませてあげるんですよね。水浴びしたり、ニワトリの餌をついばんだり、クズ米を食べたりしている様を見ているうちに(田圃指導をして下さっている米山さんの雛を放すのを最初に見たんですよね)、これは絶対に子供達に見せたい!と思って、思わず従業員のハンちゃんに電話してしまいました。
「今すぐおいでよ!」
「え〜?今まだご飯食べてるんですけどぉ」
「ほっといてもいいから。こんな瞬間見れないよ!本当に可愛いんだから〜!」
「じゃあ、行きます〜」
てな感じで、我が家に着くと子供が3人、大人が3人待っていました。みんなで1匹1匹入れました。アイガモは水掻きがあったり、くちばしが丸かったりして、本当に死ぬほど可愛いんですよね。体ブルブル震わせながら青草を食べたりする姿は、決して見ていて飽きないですよね。この日も田植えに続く一大イベントのようでした。濡れた羽根を乾かせない子供を暖めたり、朝霧は寒いため、いろんな電球やストーブなどで、いろいろ暖めるための工夫をみんなで考えたり、お休み所を作ったり、洒落た餌台を作ったり、外の遊戯場作ったり、とにもかくにも大騒ぎ。やっぱり生き物ってスゴイなーと、つくづく思いました。
そして夕方、みんな帰っていったのですが、そろそろ10匹ずつの箱に分けてお休みさせようと思っていた矢先、固まりの下にヨロヨロと足を引きずる小さな雛が一匹……。寒い時、雛は固まるのですが、どうしても下の子はのしイカのようになっちゃうのだとは聞いていたのですが、時既に遅し、という感じで弱っちゃってました。その子を1時間手の中で暖めていたのですが、午後7時半、この世を去ってしまいました。うわ〜ん。40羽の中では一番小さな子だったのですが、本当に潰されちゃって、一人でガ〜ン……でも、私の手の中で砂糖水も飲んだし、最後にはピピピと声を掛けてくれたし、何だか安らかな死だったんですよね。一日祭壇の前に置いて、今朝、埋めてきました。そんなことがあったので、昨日一日は、遊戯場で遊ばせている間も気になって気になって、とにかく頭からカモが離れません。自分で餌場の餌を取れない子がいたり、水を浴びるのは好きなのに、羽根を乾かすのが他の子の10倍かかってしまう雛が2、3羽いたり、それらの子がまた潰されやしないかなーと、心配なのですが、水を浴びる訓練をしなければいけないし、太陽の光も浴びなきゃいけないし、何だか「七十八の瞳」なんですよね。
でも、アイガモの雛はスゴイよ。たった一日で一回り以上大きくなって、しっかりしてきます。餌が食べられなかった子も、ちゃあんと人の背中に付いた餌をついばみながらも大きくなっていました。弱いチビちゃんも、それなりに大きくなっています。田植えの時にテントを貸して下さった古川さんが、アイガモ用の手作りコタツを持ってきてくれました。夜はこの下で10匹ずつ分けながら寝ています。朝、ガレージを開けると、ある日は一言も声は聞こえず、死んだかな?と思ったらド熟睡の状態だったり(「おはよ〜」と言うと鳴き始めるのは、メチャクチャ可愛いよ〜)、ある日は5時なのにもうピーチクパーチク大合唱だったり、毎日様子は違います。ちなみに水浴びは生まれた時から大好きで、数センチのプールでプカプカ浮いているんですけれども、今日は朝霧は寒くて、ついに水遊び無しだったみたい。
一応、土曜日のお昼前にアイガモを放す予定です。その日の天気が悪ければ、翌週の火曜日の午前中に放す予定です。小さい時は、トンビやカラスや様々な敵がいるし、カモ自体の適応力もまだおぼつかない子もいるかもしれないので、目が離せないなあ。本当は田圃の真んまん中に住んでしまいたい!
ある寒い日、トレーラーハウスの中に雛を持ち込んだのですが、かなりシアワセな気分でした。やっぱり生き物はスゴイね。何度も言うけれど。田圃に放すと、カモは一気にたくましくなるそうです。その成長振りを見ながら、私も少しでも成長できればなあ、なーんて今は思っています。皆さんも、田圃を見に来て下さいね。
6月12日 山村レイコ
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