vol.109 2003年8月30日

パニック・イン・ザ・レイコ田んぼ

 一体何があったのか!? これは自然のしわざなのか、それとも何者かのしわざなのか!? だとすれば、誰がいつ、何の目的で!? あわわわわ〜。
 その光景を目の当たりにした時、田んぼ部長のまさみっちゃんは、「そんな! あり得ない!!」と叫び、まりこは「なんじゃこりゃ〜」(気分は『太陽に吠えろ ジーパン刑事殉職のシーン』)。そしてそして、フェアリーテール番頭のはんちゃんは! 「わー、きれいだな〜♪」。がくがくがく・・・・・・。
 冷夏の影響によって生育が心配されていた稲ですが、けなげにも穂を出し始めました。最初に発見されたのが、7月30日。これは2株だけで、それからしばしの沈黙があり、一週間後くらいから短幹コシヒカリがぼつぼつと穂を出し始めました。あまり大きく成長していなかったため、「うっ、早すぎる」と絶句したのですが、実は、冷夏の時には穂が早く出るそうです。夏がないまま、秋に入るので、稲達が『あわわわ、早く穂をつけないと寒くなっちゃう』と慌てるのでしょうか。
 そうしてお盆過ぎに、その異変は発見されました。今年7種類のお米を植えているのですが、モチロン、きちんと分けて植えているのですが、モチロン、苗もキチンと分かるようにしてあったのですがぁぁっぁ。本来、短幹コシヒカリだけの田んぼに、赤い芒(ノギもしくはノゲと読みます。穂についている針のような長い毛のこと)を持った穂が、いーっぱい混じっているではないですか。これはまごうことなき、赤米やんけ! 誰やねん、ここに赤米植えたんは。
 呆然と田んぼを見つめていると、さらなる異変が発見されました。短幹コシヒカリの端の一列が、あからさまに緑が濃く、背が低いのです。「・・・これは黒米」さらにさらに違う所でも、あからさまに緑の濃さが違うゾーンが。「・・・これは香り米」。そうして、5種類の稲が植わっているゾーンの合間合間には、昨年のこぼれ種から自然に生えてきたと思われる黒米が、ガシッと根付いています。田植えの時、あんなに気をつけたはずなのに。赤米なんて「苗が足りない」と言っていたはずなのに。頭の中は?マークだらけでパニックです。なんでだろ〜、なんでだろ〜、ああ摩訶不思議。
 ま、そんなワケで、今年の「ありが稲」は7種類のお米がブレンドされた「ありが稲・虹色米(別名レインボーライス)」となりました。出荷できたら・・・もしかしてそんなにできないかもしれないけど・・・いや、大丈夫・・・皆様、どんなブレンド米になるか楽しみにしていて下さいね♪
 それにしても「パニックルーム」(※)ならぬ「パニック田んぼ」にするのって難しいのね。(いすわりまりこ)

※映画「PANIC ROOM (パニック ルーム)」。'02年作。主演:ジョディ・フォスター。宣伝コピー:「作られた目的はただひとつ。決して誰も侵入させないこと−。」

田んぼ画像

全部で3.3反のレイコ田んぼは、2枚に分かれていて、そのウチの1枚に色んな種類のお米を植えました。手前の黒米(くろまい)は、今年もらった物で、葉っぱも穂も濃い紫色です。香米(かおりまい)は2種類。奥の黒米は昨年から作っている物。

田んぼ画像

こちらは、色んな種類を植えてないハズのもう1枚。短幹コシヒカリのみのハズ。なのにほら、赤い穂が! どこから見ても、立派な赤米。一列だけじゃなく、ところどころに点在しているのも謎。ま、分かり易いから、刈るときに別にすればいいんですどね。

赤米画像
埼玉産、赤米のアップ。穂から伸びたヒゲのようなノゲが、きれいな赤です。はっきり言って、とてもとても美しいです。生け花に使うこともあるそう。どんな味がするか楽しみ〜。(お米の師匠・米山さんちの赤米は激ウマだったので、期待大!)
稲の茎画像
ヒエの穂画像

水草の画像

色んな水草、植物がいっぱいのレイコ田んぼ。しかも同じ田んぼでも、場所によって繁殖しているものが違うのです。こちらは水草の一種らしい。抜くと根がびっしりとついています。アルファルファみたいで、ちょっと美味しそう。

最初、稲の茎がこんな風に膨らんできます。この中に”穂の赤ちゃん”がいます。それが上に伸びていって、顔を覗かせ、白い花が咲き、受粉して(花が咲いて受粉するまでホンの2時間くらいだそう)、穂になり、お米になります。ぐんぐん育ってね。 これがヒエの穂。お米よりも早くに穂をつけます。種がこぼれないうちに取らないと、来年の苦労の種となります。しかし、穂をつけると稲との差が一目瞭然となって、とても探しやすいです。この時期のヒエ取りは、ますます楽しいのです。

藻の画像

水草がいっぱいのところもあれば、こんな風に藻が繁殖しているところもあります。こうなると雑草が生えなくて、人間は楽チン。さて、今年の分けつは短幹コシヒカリで、1本→平均7、8本と言ったところでしょうか。うーん、この倍は欲しかったかな。

とんぼの画像

タニシの画像

田んぼの中では確認しづらいが、水場の仕切を作った翌日には、こんなにもタニシがびっしり。食べるには・・・かなり小さいなあ。早く大きくなれぇ〜。ちなみにこの1週間後には、板と壁いっぱいにびっしりとくっついてました。

あるがままの自然サイクルを生み出す不耕起。今年のトンボの数と種類は、昨年の比じゃありません。大小合わせて、ざっと数えただけでも5種類のトンボを見ました。夏休みの宿題が「観察日記」なら、レイコ田んぼが超オススメです。
蜘蛛の画像 蜘蛛の赤ちゃん画像 カエルの画像
とんでもなくデカイ、クモもいます。胴体だけで4cmくらいはありそう。獲物はなんとカナブンです。クモもでかけりゃ、獲物もでかい。ついでにお米もでかくなっておくれ。 大きなクモもいれば、小さいクモもあり。稲の葉っぱが固まっている所に巣があって、中にウジャウジャと生まれたて?のクモがいっぱい。その数・・・数えられませんでした。朝田んぼに行くと、クモの巣に朝露がかかって、ホンマきれいです。 うき〜、可愛い〜♪ まるで田んぼの守り神みたい。竹の筒でお昼寝中だったアマガエル君。昼に発見し、あまりの可愛さにデジカメ持って夕方行ったら、なんとまだいた。でもカメラが嫌いらしく、これを撮ったらすぐに田んぼへ跳んでいった。
次へ(2003年9月28日)
【Top Page】

Copyright 2001 Fairy Tale, Inc. All rights reserved.