vol.46 2001年 4月9日 タンザニア編・第3弾

 こんにちは。あっという間にと言うよりは、ゆっくりと穏やかにタンザニアのサファリが過ぎていってます。アルーシャからのセスナでは、この世の光景かな、と思う不思議な世界が見れました。本当に3分おきに変わるの。緑の具合や、大地の起伏がどんどんと。サバンナ…見たことのない光景でしたが、雨季ということもあって、光輝いています。もう、雲の感じもたまらなく美しいです。ため息をつきながらセロネラの空港に着きました。6日前から現地入りしている高砂さんにやっと会えました。嬉しくてぴょんぴょん。ドライバーはドナルドさん。この3人で4泊5日のサファリが始まります。高砂さん、天候もまずまずでヌーの群れや象、その他大方の動物に逢えたようです。何というラッキーなんでしょう。つい最近まで行ってたカナダではオーロラにばんばん出会えたみたいだし(JALの機内誌「ウィンズ」冬号で特集だそうです)、何だか今年は見たいものにじゃんじゃん会えているんですって。うらやましい限りです。

 と、さっそく車で動き始めましたが、改めてセレンゲッティの凄さを思い知りました。とにかく広い。地平線の先の先までずずずーっと見えていて、いい感じで雲が折り重なっています。車の中から降りてはいけないのですが、降りなくても次々と動物が現れてくれます。あっという間に、ハイラックス、インパラ、キリン、カバ、グランドシマウマ、グランドガゼル、ペリカン、フィッシュイーグル、トムソンガゼル、セグロジャッカル、ライオン、イボイノシシ、マントヒヒ、ウォーターバック、トピ、ディクディク、アフリカスイギュー、ヘビクイワシ、レインボーアガマをはじめとするトカゲ、ブッポウソウやハチクイなど無類の鳥類、他にも山のように会いました。

 それらの自然の中に溶け込んだ様は、ちょっと想像を絶していました。慣れているでもなく、媚びるわけでもなく、ごく自然に雨季を謳歌しています。花も凄いです。新緑のじゅうたんのすきまには、黄、紫、ピンク、白と見たこともない花がぎっちり敷き詰められていました。雨季の後のオーストラリアンサファリに似ています。木々の間隔はあくまでゆったりで、空は宇宙のように広く、ひたすらゆっくりゆっくり。はあ、何というか、私の想像していたリズムより全然ポレポレなの。季節のせいでしょうか。天国ですね。シーズンオフなのであまり車も見かけませんが、暑くないし(普段は半袖のTシャツ、朝晩はトレーナー)、風は気持ちよいし、私にはベストシーズンに思えます。立って車の屋根から上半身を出して走ります。交通安全にうるさい私ではありますが、時速50キロ以下だし、緊張感もあって、郷に入れば郷に従えで快適そのものです。やっぱり私は風に吹かれるのが大好き。むせかえるような草の香りがやってくると、原始の頃の自分を想い出します(?)。結構ぬかるみも多いのですが、学校で2年もガイドを勉強したというドナルドの腕はすばらしく、パリダカの勉強になってます。

 とにかく、サファリがこんなにおだやかだなんて!パラダイスそのものなんだもん。人間が入らないだけで、こんなに自然が豊かになるんですね。さすが世界遺産です。大きさだって、東京都と神奈川県と埼玉県と千葉県を合わせたくらい、といっても想像を絶する広さ。「ああ、なんて気持ちいいんだろう」の連発です。素直に感動しています。それにしても、どうして今までここに来なかったのだろうと思います。ドリフターズだって、ナベサダだって、岩合さんだって、サバンナクラブの小倉さんだって、みんなみんなタンザニアやケニアに来ているんだよね。とりこになって足繁く通い始めるというのが分かります。やっぱり動物のいる緑の自然が地球の基本なんだよね。ゆったりと飛ぶ鳥たちからも、ひょっこり出逢った群れからも、すべて幸福感が漂ってきます。1泊目、セレンゲッティを一望できる「ロボ・ワイルド・ロッジ」に泊まりましたが、ここも岩山を利用した不思議な宿で、地平線の上に出たでっかい虹を眺めることができました。もう、言葉では……。とほほっという位感動しています。食事も旨いし(豆、スープ、野菜、果物、地鶏と味つけも好みで満足です)、ぐっすり寝れたし、いい時間を過ごさせてもらっています。本当に皆に来てほしいところです。

 いきなり2日目。前日以外の動物で見れたもの。アフリカゾウの親子とレオパードタートル。午後は大雨で休息となったので、この原稿書いてます。眼下の草原に毎日ゾウの群れが来るとかで、ちらちらと外を見ながら書いてます。そうそう高砂さん、今回初めて仕事先にウクレレを持参。車の中でポロポロとやってくれたのですが(上手いよ〜っ!)、ハワイアンの旋律が景色とよく合って、最高でした。こんな遊びごころが実に似合うセレンゲッティです。全ては自然まかせ。ポレポレで行きたいなあ。これからもずっと。

4月9日 ロボにて

(2001.4.9)

次へ(2001年 4月19日)


Copyright 2001 Fairy Tale, Inc. All rights reserved.