vol.10 2002年 1月 10日 ★車がやってくる日

車を何にしようかな、と考えている時ほど楽しいことはありません。特にかつてのつれあいが大の車好きだったので、会話の内容はかなりこの手が多かったような気がします。今も欲しいのはエコカーで、来年ぐらいにはなんとかなるかなあ。この文章に出てきたビークロスは最高の車でしたが、やはりバイクが積みたいということでダットサンになり、それはつれあいが所有し、今私はダイハツのネーキッドとHiJETに乗っています。ふう〜、本当にぐるぐる目まぐるしく変わりますが、どれも愛情込めてつきあっていたので、いまでも思い出すとどうしているかなあとにっこりしてしまいます。車って、何てきゃわゆいのでしょう!!

エッセイスター第9弾 FASE 1999年冬 第10号

 明日、我が家に車がやって来ます。嬉しくてムッフッフと笑いが止まりません。三年ぶりの購入ですが、構想期間はかなりありました。ここ朝霧高原は十二月から春まで雪が降るし、生活道路はアイスバーンになるとあって、「四駆が欲しい」が合言葉でした。けれどもなかなか決まりません。やっとピックアップトラックの四駆(真っ赤で可愛い三菱の逆輸入車)を購入したものの、夫婦で一台ではどうしようもありません。それぞれが違う場所に出掛けたいのに、一人は豪雪に閉じ込められるという、今時の日本にあるまじき状態となるのです。新幹線の駅まで行くバスは、一日一本のみ。しかも、そのバス停までが遠いと来ているので、寒冷地の田舎では「一人に一台の四駆」というのが現状のようです。

ほれぼれした昔の愛車、三菱の逆輸入車SPX。手前に愛犬きゅうの姿あり。

 が、とにかく決まりません。RVブームとあって、あらゆるタイプが市場に出回っているのに、要求を満たしてくれる車がどうしても無いのです。――パートタイム四駆。ガソリン車。マニュアル。何らかのエコカー。北海道往復しても楽ちんなエンジン。大人が満足できるデザイン。愛犬にとって居心地のよいもの。五ドア。程度のいい中古車。フルフラットになるなどキャンプ向き。運転していてワクワクするもの――と、どれもが譲れないものばかり。ただのアシではなく、私たちらしく、楽しく生活を豊かにしてくれる車でなければ、乗る意味もないと思うのですが、「そんなものいくら探したって無いよ」という周囲の声が聞こえてきそうです。

 ちなみに私と歩んできた車たちは、変化球ばかりでした。シトロエンGSクラブ、バンタイプのワンボックスあれこれ三台、軽トラ、三菱のギャランVR4ラリー仕様車、いすゞ117クーペ。これらと、数え切れないほどのバイクが相棒でした。結婚した時、私の財産は、バリバリ新車のハイエーススーパーロング。机を取り付けたので、事務所代わりにもなる優秀な子でした。走行十万キロの時に買い替えを考えたものの、エンジンを乗せ換えて走り続けました。二度も全塗装し、タイヤやホイールもちょっとお洒落なものを付けてあげたりと、喜びも哀しみもこのワンボックスと共にありました。私の一番愛した車と言って間違いないのですが、いかんせん二駆では我が家までの峠道をクリアできず、この度、選手交替となった訳です。ハイエースは、キャンピングカーに改造されて第二の人生を歩むことになったので、ホッとしています。

 そして新しくやって来るのは、ガソリン3・2リッターの俊足ビークロスです。エコを売りにした車ではないし、三ドア、オートマだけれど、知人のラリーストが乗っていたので安心。何より所有していて愉快そうです。
 落ち着いた雰囲気の車ライフもいいかなあと思っていたのだけれど、やっぱり過激に元気に生きていきそうな気配です。それにしても車がやってくるっていう日は・・・なんて楽しいんでしょうねっ!!

 



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